フッ素樹脂コーティング講座

簡単にわかる「フッ素樹脂コーティング講座」

耐食性て、何?(1)
No.14

非粘着用途から耐食用途まで、帯電防止タイプのフッ素樹脂コーティングというのもいろいろなところで認知されてきました。今回から2回は、これについてお話しします。

静電気の事故

さて、フッ素樹脂の特徴である耐食性・非粘着性等はいろいろなプラント・製造設備において、課題解決の手段として多用されています。その反面、フッ素樹脂表面の静電気帯電によるトラブルも多く発生しています。

たとえば、グラスライニングの体積抵抗値は1012Ωm程度あるということは良く理解され、静電気障災害への配慮がなされていますが、意外にフッ素樹脂の体積抵抗値が1016Ωm以上もあるということに配慮されていない場合がありました。

実際に、新聞報道された事故を二つほど挙げてみます。

  1. 粉体取り扱い

    ある医薬原体プラントにおいて、反応器のホッパーに粉体原料を投入したところ、粉塵爆発が発生。人身事故となる。原因は、反応器とホッパー管に接続されていたPTFE製ベローズへの帯電によるものと考えられている。

  2. 溶剤取り扱い

    あるファインケミカルプラントにおいて、遠心分離器のろ布交換作業時に、空運転させ、洗浄のため溶剤を入れたところ、引火爆発が発生。人身事故となる。原因は、耐食用途でバスケットにライニングされていたフッ素樹脂ETFEへの帯電によるものと考えられている。

どんな性能があったらよいの?

少し古い本なのですが、旧労働省の産業安全研究所編の静電気安全指針(1988年改訂版)には、「帯電性不導体の指標」が載っています。これは、「体積抵抗値が108Ωm以上の液体・粉体、及び体積抵抗値が108Ωm以上で、かつ表面抵抗値が1010Ω以上の固体(フィルム、紙、布を含む)は、帯電性不導体と考える。」と、なっています。

つまり、フッ素樹脂コーティングは、せめて体積抵抗値が108Ωm未満で有れば、帯電性はナシと考えることができます。

どのように測定するの?

本当は、「図1:体積抵抗率の測定方法」のように金属製のパネルにフッ素樹脂コーティングをし、金属ケースに入れ、周囲からの影響を絶って測定する必要があります。

しかし、実際にフッ素樹脂コーティングされた製品は大きかったり、平らでなかったりで、上記を測定することは困難です。このため日本フッソでは、導体に準じて「図2:漏洩抵抗の測定方法」を採用して、施工品の品質管理のため、漏洩抵抗値:107Ω未満を合格として、抵抗値管理をしています。

  • 図1: 体積抵抗率の測定方法
    規格 JIS K-6911 準拠 リング状電極使用
    測定器 (株)ダイヤインスツルメント製ハイレスタ IP MCP-HT260
    印可電圧 10V
  • 図2: 漏洩抵抗値の測定方法
    規格 静電気安全指針 漏洩抵抗の測定準拠
    測定器 (株)ダイヤインスツルメント製 ハイレスタ IP MCP-HT260
    測定電極 SUS 304、Φ60mm
    印可電圧 100V
    測定時間 10秒後