硬質系・非粘着コーティング Aμcoat®

硬質系・非粘着コーティング Aμcoat®
  • 非フッ素樹脂
  • 高硬度
  • 離型性
  • 表面性
  • 低温焼成
  • 高精度
  • ノンブラスト

非「フッ素樹脂」の次世代グレード/硬質系・非粘着コーティング

弊社は、ロール・タンク・配管等の様々な製造機器に対し、フッ素樹脂コーティングを行っています。フッ素樹脂は撥水性・耐食性・非粘着性など優れた特性を有しています。

その為、フッ素樹脂をコーティングした製造機器により、製品の歩留まり向上・製造コストの削減・環境負荷の低減等を図る事ができます。このような特長がある一方で、フッ素樹脂コーティングにおいては、いくつかの問題点が知られています。

まず、材料面ではフッ素樹脂が柔らかい事が挙げられます。例えば、製造現場によってはコーティングしたフッ素樹脂皮膜が短期間で磨耗する事があります。弊社はコーティング技術の改良等で対応してきましたが、フッ素樹脂を使う限り飛躍的な硬度の向上は困難であるのが現実です。

また、施工面ではフッ素樹脂コーティングにおいて必須の高温処理及びショットブラストが問題視される場合があります。例えば、低融点の母材では軟化や溶融が、高い機械的精度が求められる母材では歪の発生が各々懸念され、一般にフッ素樹脂コーティングは実施できません。

上記のような問題点を解決するにあたり、弊社はフッ素樹脂以外の材料からアプローチを行い、硬質及び非梨地表面で、尚且つ高い非粘着性を有する「Aμcoat®(エーミューコート)」(Advanced micro coat の略(弊社グレード:NFX-5131))を開発しました。

特長
  1. 9H以上の高硬度※

    一般的なフッ素樹脂の皮膜硬度は「引っかき硬度(鉛筆法)」による評価で2B〜2Hです。これに対し「Aμcoat®」では9H以上の硬度を実現しました。

  2. 高い離型性

    一般的なフッ素樹脂のテープ剥離力が4.0〜7.5Nであるのに比べ、「Aμcoat®」は0.5Nと、高い剥離性を実現しています。

  3. 膜厚約1μm

    フッ素樹脂皮膜の膜厚は10μmを超えますが、「Aμcoat®」の膜厚は1μm程度(推定値)です。

  4. 低温焼成

    200°C以下で施工でき、金属以外の母材材料に対しても施工可能です。フッ素樹脂コーティングと比較して熱歪が発生する可能性が極めて低いです。

  5. ショットブラスト不要

    基本的に脱脂のみで、充分な密着力が得られます。その為、ショットブラストによる母材の物理的歪みが発生しません。

「Aμcoat®」の施工上の特長

  Aμcoat® フッ素樹脂コーティング
前処理のショットブラストの必要性 不要 基本的に脱脂のみ。ショットブラストなしで充分な密着力が得られます。その為、ショットブラストによる母材の物理的歪みが発生しません。 必要 前処理として母材表面をショットブラストにより粗面化する必要があります。
施工温度 200°C以下
(120°C以上が望ましい)
金属以外の母材材料に対しても施工可能。フッ素樹脂コーティングと比較して熱歪が発生する可能性が極めて低いです。 400°C以上
(空焼き時)
母材材料は金属・ガラス・セラミック等に限定されます。
再施工時の旧皮膜剥離の必要性 不要(※) 旧皮膜に特殊な処理を施すことで旧皮膜の上から再施工が可能。母材への熱的・物理的歪を付与する事がありません。 必要 旧皮膜を剥離する時、改めて熱処理とショットブラストを施す為、母材に熱的・物理的歪が蓄積されます。
施工対象 広くなる 施工時の母材への物理的・熱的ダメージがフッ素樹脂コーティングよりも極めて小さいため。 一部制約される 施工時の母材への物理的・熱的ダメージが発生することがあり。

「Aμcoat®」の特長を活かした施工

図1に、フッ素樹脂コーティングでは対応困難で、尚且つ、「Aμcoat®」で施工可能な母材材料を示します。例えば、青色領域の"丸刃"については、ショットブラスト不要の「Aμcoat®」を用いる事で、切れ味を損なう事なく非粘着性を付与する事ができます。ピンク色領域の材質は、低温処理が可能な「Aμcoat®」ならば施工可能です。

また、青色・ピンク色が重なったオレンジ色の領域については、高精度の母材(例:ロール等)が該当します。これらの母材では施工時の歪を抑制する必要があり、ショットブラスト不要・低温処理が可能な「Aμcoat®」の特長が活きる母材と言えます。

非粘着性テスト

ここでは、「Aμcoat®」の特長のひとつである優れた非粘着性を確認できるデモ動画(餅を用いた「Aμcoat®」の非粘着性テスト)をご覧頂けます。

  • 母材: まな板 / 材料: PP

    左半分に「Aμcoat®」を施工したポリプロピレン製まな板にお餅を押しつけて、非粘着性を確認します。

  • 母材: 陶器皿 / 材料: セラミックス

    陶器製の皿に「Aμcoat®」を施工し、お餅を押しつけて非粘着性を確認します。

  • 母材: ナイフ / 材料: SUS304

    ナイフ(SUS304)に「Aμcoat®」を施工し、お餅を切って、切れ味と非粘着性を確認します。

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  1. フッ素樹脂コーティング講座
    1. フッ素樹脂コーティングて、何?
    2. 非粘着・離型コーティングて、何?
    3. 耐磨耗性コーティングて、何?
    4. 耐食性て、何?(1)
    5. 耐食性て、何?(2)
    6. 耐食性て、何?(3)
    7. 母材との密着について
    8. フッ素樹脂のコーティング方法について(1)
    9. フッ素樹脂のコーティング方法について(2)
    10. フッ素樹脂の皮膜構造について
    11. 最も厚く欠陥が少ない皮膜を得ることができるロトライニング
    12. 粉体付着とフッ素樹脂コーティング
    13. 磨耗とは?
    14. 帯電防止とは?
    15. 帯電防止とは?(2)
    16. フッ素樹脂コーティング安全性とは?
    17. フッ素樹脂コーティングの仕様決定とは?
    18. 母材設計とは? -1-
    19. 母材設計とは? -2-
    20. フッ素コーティングって何? -1-
    21. フッ素コーティングって何? -2-
    22. フッ素コーティングって何? -3-
    23. どのようにコーティングするの? -1-
    24. どのようにコーティングするの? -2-
    25. どのようにコーティングするの? -3-
    26. いろいろなコーティング(1) 剥離帯電防止コーティング
    27. いろいろなコーティング(2) セミコン用のコーティング
    28. いろいろなコーティング(3) セミコン用のコーティング
    29. いろいろなコーティング(4) 高精度ロールへのコーティング
    30. コーティング現場で困ってしまうこと その1
    31. コーティング現場で困ってしまうこと その2
    32. コーティング現場で困ってしまうこと その3
    33. コーティング現場で困ってしまうこと その4
    34. フッ素樹脂コーティングと伝熱
    35. フッ素樹脂コーティングの表面粗さ
    36. フッ素樹脂コーティングあれこれ
    37. 膜厚測定について
    38. ピンホール試験について
  2. 技術情報誌Webユニコーン
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