
- 超厚膜
- 腐食防止
「もっと厚膜のフッ素樹脂ライニングができないか…」
― お客様のそんな一言が「リチルライニング」として結実しました。
「リチルライニング」は1〜3mmを標準膜厚とした画期的な「厚膜焼付けフッ素樹脂ライニング」です。従来工法のシートライニングでは得られない母材金属との密着性や、継目のない皮膜を実現し、その用途と可能性は無限です。
安全性で選ぶなら「リチルライニング」それが日本フッソ工業の提案です。
特長
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3次元回転焼成で、厚膜ライニングを実現
静電粉体塗装では50μm程度の薄膜の塗り重ねによって0.6mm程度の膜厚を形成しますが、リチルライニングでは数回の焼成で1〜3mmの厚膜が得られます。
その秘密は回転焼成と特殊スラリー塗装。予め被塗物(例えばタンクなど)内面にフッ素樹脂を投入し、焼成炉で被塗物自体を3次元回転させながら焼成します。
これにより、熱履歴を重ねることのない厚膜ライニングが実現しました。
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負圧条件でもOK
焼付ライニングだから母材金属に完全密着。被塗物にベントホールを設けるなどの特別な設計も必要なく、フルバキューム条件下でも問題なく使用できます。
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皮膜に継目がない
焼成よってフッ素樹脂を完全溶融させて皮膜を形成します。だから皮膜に継目は一切ありません。被塗物の内面をすべて一枚の皮膜で覆ってしまいます。シートライニングによくある、継目樹脂溶接のトラブルがないうえに、継目に溜まる残液も防止できます。
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複雑形状に対応
静電粉体塗装のように、粉体原料を吹き付ける手法では被塗物の形状に制限があります。リチルライニングはグラスライニングや静電粉体塗装ではできない複雑な形状にも対応できます。
例えば配管。ピース数を減らすことでフランジ数を減らし、メンテナンスを簡易化することができます。
多層構造
フッ素樹脂は厚膜にすると「収縮→剥離」という問題が発生します。そこで、特に密着性を求められる場合や、熱収縮が発生しやすい高温で使用される場合は、皮膜を多層構造にする事で、皮膜全体の収縮を緩和させます。下の層に充填材を入れて収縮率を低下させ、母材との界面に集中していた収縮力を分散することにより、剥離力を弱めました。
リチルライニンググレード一覧
主な目的・品番 | 主材料 | 耐熱温度 | 色調 | 標準膜厚 | 特性の目安 | 備考 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
非粘着性 (撥液性) |
非粘着性 (離型性) |
低摩擦性 (滑り性) |
耐摩耗性 | 帯電防止 |
耐食性 (ピンホールレス) |
高純度性 (ピンホールレス) |
||||||
NF-715 | ETFE | 150°C | ホワイト | 2mm | △ | △ | △ | ◎ | ○ | △ | ETFEロトライニングのスタンダード | |
NF-715EL | ETFE | 150°C | ホワイト | 2mm | △ | △ | △ | ◎ | ○ | ○ | NF-715の表層改良タイプ。表面性に優れる | |
NF-750 | PFA | 260°C | ブラック | 1mm | ○ | △ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | PFAロトライニングのスタンダード | |
NF-756 | PFA | 260°C | ブラック | 1mm | ○ | △ | ○ | ◎ | ◎ | ○ | NF-750の下層改良版。更に過酷な耐食用途 | |
NFX-7540 | PFA | 260°C | ホワイト | 1mm | ○ | △ | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | 高純度性に優れたロトライニング。リチルピュア |
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